「介護は大変」
祖母の介護を経験する前の私は、その言葉を知っているだけでした。
食事や着替えを手伝う。
病院へ付き添う。
高齢者のそばで見守る。
介護に対して、どこかそのようなイメージを持っていたと思います。
しかし、実際に在宅介護が始まると、「大変」という一言だけでは表せない現実がありました。
私たち家族は、入院していた祖母を、
できる限り自宅で過ごさせてあげたい
という思いから、家族で話し合って在宅介護を選びました。
祖母は病気の影響で、
- 自分で身体を動かせない
- 話すことができない
- 飲み込む力が弱っている
- 痰が詰まりやすい
という状態でした。
自宅では、昼夜を問わず状態を確認し、必要に応じて痰の吸引を行いました。
やっと眠れたと思ったら、また起きる。
酸素飽和度の数字がなかなか戻らず、不安なまま画面を見続ける。
仕事へ行かなければならないのに、ほとんど眠れていない。
祖母が痛いのか、苦しいのか、言葉で確認することもできない。
正直な話、体力だけでなく、心の余裕も少しずつ削られていきました。
この記事では、私が祖母の在宅介護で特につらかった次の4つをお伝えします。
- 約2時間ごとの対応で、まとまった睡眠が取れなかった
- 介護と仕事の両立が想像以上に難しかった
- 家族全員で分担しなければ続けられなかった
- 話せない祖母との意思疎通に苦しんだ
介護の方法や家族の状況は、それぞれ違います。
私たちが在宅介護を選んだことが、すべての家庭にとって正解だとは思っていません。
ただ、今まさに介護をしながら、
「自分だけがつらいのではないか」
「家族なのだから、もっと頑張るべきなのか」
と悩んでいる方へ、経験した一人として伝えたいことがあります。
介護がつらいと感じるのは、愛情がないからではありません。
この記事が、一人で抱え込まずに周囲へ相談するきっかけになればと思います。
※この記事は、私たち家族が経験した在宅介護について書いたものです。痰の吸引や酸素管理などの医療的ケアを自己判断で行うための記事ではありません。必要なケアや緊急時の対応は、主治医・訪問看護師などから本人の状態に応じた指示と説明を受けてください。介護職員等が喀痰吸引を行う場合にも、制度上の研修や医師の指示などが関係します。
- 結論|在宅介護は「家族だけで頑張るもの」ではない
- 私たちが祖母の在宅介護を選んだ理由
- つらかったこと① 約2時間ごとの対応で、まとまって眠れなかった
- つらかったこと② 介護と仕事の両立が想像以上に難しかった
- つらかったこと③ 家族全員で分担しなければ続けられなかった
- つらかったこと④ 話せない祖母との意思疎通が本当に難しかった
- それでも、自宅で過ごせた時間に意味はあったと思う
- 在宅介護がつらいと感じたときに相談できる場所
- 在宅介護を続けることだけが正解ではない
- 祖母の介護を経験して、資産形成を始めた理由
- まとめ|介護がつらいのは、頑張りが足りないからではない
- 今日できること|介護の負担を一つだけ言葉にする
- FAQ|祖母の在宅介護を経験した私がよく考えたこと
- 参考資料
- 介護や老後への備えについて、こちらの記事もおすすめです。
結論|在宅介護は「家族だけで頑張るもの」ではない
祖母の介護を経験して、私が一番強く感じたことがあります。
それは、
家族だけで介護のすべてを抱えるのは、あまりにも負担が大きい
ということです。
在宅介護には、
- 食事や排泄などの身体介助
- 病状の確認
- 医療機関や事業所との連絡
- 買い物や洗濯
- 福祉用具の管理
- 役所での手続き
- 夜間の見守り
- 仕事や家事との調整
など、目に見えにくい作業も含まれます。
私たちの場合は親と兄弟で分担しましたが、それでも簡単ではありませんでした。
誰か一人がすべてを背負っていたら、もっと早く限界が来ていたと思います。
現在の介護保険には、訪問介護、訪問看護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具貸与など、在宅生活を支える複数のサービスがあります。本人の要介護度や医療上の必要性などにより、利用できるサービスや条件は異なります。
何から相談すればよいか分からない場合は、介護が必要な本人の住所を担当する地域包括支援センターが、介護に関する総合相談窓口になります。
私たちが祖母の在宅介護を選んだ理由
祖母は病院に入院していました。
病院であれば、医師や看護師がいて、状態が変化したときにも対応してもらえます。
それでも私たち家族には、
「病院で最期まで過ごすのではなく、できる限り自宅へ戻してあげたい」
という思いがありました。
祖母本人が言葉で希望を伝えられる状態ではなかったため、本当はどう思っていたのか、今でも分かりません。
家族の思いが、祖母本人の望みと同じだったのか。
自宅へ戻したことで安心できたのか。
病院にいた方が苦しくなかったのか。
介護が終わったあとも、答えは出ていません。
それでも当時の私たちは、家族で話し合い、在宅介護を選びました。
自宅へ迎えるために準備したものには、次のようなものがありました。
| 準備したもの | 私たちの家庭での用途 |
|---|---|
| 介護ベッド | 身体の向きを変えたり、介助したりしやすくする |
| パルスオキシメーター | 医療者から説明を受けた方法で状態を確認する |
| 電動吸引器 | 指示を受けた範囲で痰の吸引に使用する |
| 空気清浄機 | 室内環境を整える |
| 足湯用品 | 入浴できない祖母の気分転換に使う |
| マッサージ用品 | 手足に触れながら過ごすために使う |
当初は、
「家族みんなで協力すれば、何とかなる」
と思っていました。
実際、家族の協力がなければ続かなかったと思います。
ただ、協力する人数がいたからといって、負担が軽くなるとは限りませんでした。

つらかったこと① 約2時間ごとの対応で、まとまって眠れなかった
在宅介護で一番つらかったのは、睡眠を確保できないことでした。
祖母は痰が詰まりやすく、私たちの家庭では約2時間ごとに状態を確認し、必要な対応をしていました。
もちろん、昼間だけではありません。
夜中でも朝方でも、時間は関係ありませんでした。
やっと眠りに入ったと思ったら、また起きる。
対応が終わって布団へ戻っても、
「本当に大丈夫だろうか」
「またすぐ苦しくなるのではないか」
と考えてしまい、すぐには眠れません。
そのまま少し眠ると、次の確認時間が来ます。
この繰り返しでした。
介護で眠れないと、心にも余裕がなくなる
まとまった睡眠が取れない日が続くと、身体の疲れだけでは済みません。
ちょっとしたことでイライラする。
物事を落ち着いて考えられない。
家族の言葉を悪い意味に受け取ってしまう。
「自分は何をしているんだろう」と急に気持ちが沈む。
実際のところ、睡眠不足になる前なら流せたことにも、強く反応するようになっていたと思います。
介護する相手に怒っているわけではありません。
でも、身体と心に余裕がなければ、やさしい気持ちだけで乗り切ることはできませんでした。
数字が戻らない時間の恐怖
今でも忘れられないのは、酸素飽和度の数字がなかなか戻らなかったときです。
画面を見ながら、
「大丈夫だろうか」
「苦しくないだろうか」
と何度も考えました。
必要な対応をしても数字が戻らないと、
「自宅へ連れて帰った判断は間違っていたのではないか」
「病院にいた方が祖母は苦しまなかったのではないか」
という思いが頭をよぎります。
自宅で過ごしてほしい。
でも、苦しい思いはさせたくない。
その間で、何度も気持ちが揺れました。
ここでは具体的な数値や処置方法は書きません。
体調が急変した場合の連絡先、救急要請の判断、機器の使い方などは、あらかじめ主治医や訪問看護師などと確認し、本人専用の対応手順を作っておくことが大切だと思います。
訪問看護では、主治医の指示に基づき、看護師などが自宅を訪問して病状の確認、療養上の世話、医療機器等の管理、在宅での看取りなどを支援します。
睡眠を確保するために、もっと早く相談してもよかった
当時は、
「夜は家族が見るもの」
「自分たちで選んだ在宅介護なのだから、頑張らなければ」
と考えていました。
今振り返ると、家族内で夜間の担当をさらに細かく分けたり、ケアマネジャーや訪問看護へ負担を率直に伝えたりする余地があったかもしれません。
利用できるサービスは本人の状態や地域によって異なりますが、重要なのは、
限界を超えてからではなく、眠れない状態が続いた時点で相談すること
だと思います。
「まだ倒れていないから大丈夫」ではありません。
まとまって眠れない日が続いていること自体が、相談してよい理由です。
つらかったこと② 介護と仕事の両立が想像以上に難しかった
介護には、予定どおりという言葉がほとんどありません。
前日までは落ち着いていても、朝になって体調が変わることがあります。
病院へ行く必要が出ることもあります。
さらに、
- 医療機関との連絡
- 訪問サービスの時間調整
- ケアマネジャーとの相談
- 薬や介護用品の準備
- 行政上の手続き
- 家族間の連絡
など、細かな用事が次々に出てきます。
勤務時間外にすべて終わるとは限りません。
「仕事も続けたい」
「祖母のそばにもいたい」
どちらも大切でした。
でも、両方を同じように守り続けることは簡単ではありませんでした。
介護のために仕事を休むことへの迷い
仕事を休めば、職場へ迷惑をかけるように感じる。
休まなければ、家族へ負担が偏る。
介護に時間を使えば、収入や今後の働き方が不安になる。
仕事へ行けば、
「自分だけ介護から離れている」
という罪悪感が出る。
何を選んでも、どこかに申し訳なさが残る状態でした。
こうした気持ちは、介護を始める前には想像できませんでした。
介護休業は「自分一人で介護し続ける期間」ではない
現在は、対象家族を介護する労働者について、介護休業、介護休暇、短時間勤務等、残業や深夜業の制限など、仕事と介護を両立するための制度があります。介護休業は対象家族1人につき通算93日まで、3回に分けて取得でき、祖父母も対象家族に含まれます。
厚生労働省は、介護休業を「休業中に自分だけで介護するため」ではなく、介護サービスの手配や家族の役割分担など、仕事と介護を両立できる体制を整えるための期間として活用する考え方を示しています。
また、2025年4月からは、事業主に対して介護離職防止のための個別周知・意向確認や、制度を利用しやすい雇用環境の整備などが義務化されています。
制度を利用できるか、賃金がどうなるか、申請に何が必要かは、雇用形態や会社の規定などによって異なります。
介護が始まってから慌てるより、早めに会社の人事・総務や相談窓口へ確認しておく方が安心だと思います。

つらかったこと③ 家族全員で分担しなければ続けられなかった
祖母の在宅介護は、親と兄弟で役割を分担して行いました。
介護というと、食事や身体のケアなど、本人に直接触れる作業を想像するかもしれません。
しかし、実際にはそれ以外の仕事もたくさんあります。
- 痰の吸引など必要なケア
- 状態確認
- 食事や水分に関する対応
- 身体を清潔に保つためのケア
- 買い物
- 洗濯
- 消耗品の在庫確認
- 医療機関との連絡
- ケアマネジャーとの連絡
- 役所の手続き
- 夜間の見守り
- 家族間の予定調整
一つひとつは小さく見えても、毎日積み重なると大きな負担になります。
「手が空いた人がやる」では偏りやすい
家族で協力していても、
「気づいた人がやる」
「その場にいる人がやる」
という形では、同じ人へ負担が集中しやすくなります。
直接的な介助だけでなく、
- 連絡担当
- 買い物担当
- 夜間担当
- 手続き担当
- 医療者から説明を聞く担当
まで見える形にしておけば、負担の偏りに気づきやすかったかもしれません。
私たちは家族で支えたから続けられました。
それでも、家族の人数だけで解決できる問題ではありませんでした。
全員が疲れてしまえば、代わる人がいなくなるからです。
介護サービスを使うことは、家族の責任を放棄することではない
介護を外部へ頼むことに対して、
「家族なのに他人へ任せてよいのか」
と感じる人もいると思います。
私自身も、もっと家族でできるのではないかと考えてしまうことがありました。
しかし、訪問介護は食事・排泄・入浴などの身体介護や一定の生活援助、訪問看護は主治医の指示に基づく療養支援、ショートステイは短期間の宿泊を通じた本人への支援と家族の負担軽減など、それぞれ役割があります。
家族が介護を続けるために外部の力を借りることは、投げ出すことではありません。
むしろ、
本人と家族の生活を長く守るための役割分担
だと思います。
つらかったこと④ 話せない祖母との意思疎通が本当に難しかった
睡眠不足や仕事との両立もつらかったのですが、精神的に特につらかったのは、祖母の気持ちを言葉で確認できないことでした。
祖母は話すことができませんでした。
そのため、
- 痛いのか
- 苦しいのか
- 暑いのか
- 寒いのか
- 姿勢を変えてほしいのか
- 今のケアが嫌なのか
- ただそばにいてほしいのか
私たちには分かりません。
表情。
目線。
手足の小さな動き。
呼吸の様子。
いつもとの違い。
そうしたものから想像するしかありませんでした。
「これで良かったのか」という後悔が残る
介護中も、
「今の対応で良かったのかな」
「本当は別のことを望んでいたのではないか」
と何度も考えました。
介護が終わったあとも、
「もっと話しかければよかった」
「もっとそばにいればよかった」
「足湯やマッサージ以外にも、何かできたのではないか」
と思うことがあります。
ただ、介護には、後から見ても完璧と言える正解はないのだと思います。
あの時の私たちは、限られた体力と時間、知識の中で、その時できることを考えていました。
そう理解しようとしても、後悔が完全になくなるわけではありません。
それでも、
後悔が残っていることと、何もしていなかったことは同じではない
と、今は考えるようにしています。
それでも、自宅で過ごせた時間に意味はあったと思う
在宅介護は本当につらい時間でした。
では、自宅へ連れて帰ったことを後悔しているのかと聞かれると、簡単には答えられません。
不安もありました。
病院にいた方がよかったのではないかと思ったこともあります。
家族全員が疲れていました。
それでも、祖母が慣れた家で家族の声を聞きながら過ごせた時間には、意味があったと信じたいです。
お風呂へ入れない代わりに足湯をする。
手や足をゆっくり触る。
話せなくても、今日あったことを伝える。
家族が交代でそばにいる。
特別なことではありません。
でも、介護中にできることは、必ずしも大きなことでなくてよかったのかもしれません。
在宅介護がつらいと感じたときに相談できる場所
介護を始めたばかりの頃は、
「どこへ、何を相談すればよいのか」
さえ分からないことがあります。
本人の状態や認定状況により相談先は変わりますが、主に次の窓口があります。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは、市町村が設置する高齢者の総合相談窓口です。保健・福祉・介護に関する相談を受け、必要に応じて制度や支援機関へつなぎます。担当センターは本人の住所によって異なります。
ケアマネジャー
要介護認定を受けて居宅介護支援を利用する場合、ケアマネジャーが本人の状態や生活環境を踏まえてケアプランを作成し、事業者などとの連絡・調整を行います。
主治医・訪問看護師
病状、医療的ケア、急変時の連絡方法、家族が行うケアの範囲については、主治医や訪問看護師などへ確認します。
勤務先の人事・総務・相談窓口
仕事との両立が難しい場合は、介護休業、介護休暇、短時間勤務、残業や深夜業の制限など、利用できる制度を確認します。
市区町村の介護保険窓口
要介護認定の申請、介護保険制度、負担やサービスに関する手続きなどを相談できます。
「何を頼みたいのか整理できていない」という段階でも構いません。
次のように、今困っている事実をそのまま伝えるだけでもよいと思います。
- 夜ほとんど眠れていない
- 仕事を休む回数が増えている
- 家族内で負担が偏っている
- 医療的ケアに不安がある
- 本人から意思を確認できず困っている
- このまま在宅介護を続けられる自信がない

在宅介護を続けることだけが正解ではない
家族で在宅介護を選ぶと、
「最後まで自宅で介護しなければ」
と思ってしまうことがあります。
でも、本人の病状も、家族の体力も、仕事や生活環境も変化します。
途中で、
- 訪問サービスを増やす
- デイサービスを利用する
- ショートステイを利用する
- 医療機関へ相談する
- 施設入所を検討する
という選択をしても、最初の決断が間違いだったことにはなりません。
介護保険サービスには、自宅への訪問、日帰り利用、短期宿泊、長期入所、福祉用具など複数の形があります。
在宅介護か施設介護かという二択ではなく、その時の状態に合わせて組み合わせたり、変更したりしてよいと思います。
大切なのは、
家族の理想を守り抜くことより、本人と介護する人の両方が無理なく過ごせる方法を探すこと
です。
祖母の介護を経験して、資産形成を始めた理由
介護を経験して、強く意識するようになったことがあります。
それは、
自分にも必ず老後が来る
ということです。
将来、自分が介護を必要とするかどうかは分かりません。
どのような病気になるかも分かりません。
ただ、祖母の介護を通じて、お金があることですべてが解決するわけではなくても、選択肢を増やせる場合があると感じました。
例えば、
- 介護サービスを利用する
- 福祉用具を準備する
- 通院時の移動負担を減らす
- 家族が仕事を休む
- 住環境を整える
- 在宅か施設かを検討する
といった場面です。
祖母の介護を経験したことが、私が資産形成を始めた理由の一つになりました。
私は現在、新NISAを利用して少額から積立投資を続けています。
もちろん、投資をすれば介護不安がなくなるわけではありません。
投資には元本割れの可能性もあります。
それでも、将来の自分と家族が選べる方法を少しでも増やすために、今の生活を壊さない範囲で備えたいと考えています。
まとめ|介護がつらいのは、頑張りが足りないからではない
私が祖母の在宅介護で本当につらかったことは、次の4つです。
- 約2時間ごとの対応があり、まとまって眠れなかった
- 予定どおりに進まない介護と仕事の両立が難しかった
- 家族全員で役割分担しなければ続けられなかった
- 話せない祖母の痛みや希望を確認できなかった
介護は、やさしさや家族への思いだけでは乗り切れません。
睡眠。
体力。
時間。
仕事。
お金。
専門的な支援。
家族間の協力。
さまざまなものが必要になります。
だから、今まさに介護をしている方へ伝えたいです。
「もうつらい」と感じるまで頑張った時点で、十分に頑張っています。
一人で抱え込まないでください。
家族へ話してください。
ケアマネジャーへ「眠れていない」と伝えてください。
勤務先へ利用できる制度を確認してください。
何から相談すればよいか分からなければ、地域包括支援センターへ連絡してください。
頼ることは、介護を諦めることではありません。
本人と家族の生活を守るために必要な選択だと思います。
そして、もし在宅介護から別の方法へ変更することになっても、自分を責めないでください。
その時の状況に合わせて方法を変えることも、家族を大切にする行動の一つです。
今日できること|介護の負担を一つだけ言葉にする
すべてを一度に解決する必要はありません。
まず、今最もつらいことを一つだけ書き出してみてください。
- 眠れない
- 仕事を休めない
- 家族が協力してくれない
- 夜間の対応が怖い
- 本人の気持ちが分からない
- 介護費用が不安
- 自分の心が限界に近い
そして、その一文を家族、ケアマネジャー、地域包括支援センター、主治医、訪問看護師、勤務先の誰かへ伝えてください。
「どうしたらいいですか」と完璧に質問できなくても、
「今、これが一番つらいです」
と伝えるところからで大丈夫だと思います。
FAQ|祖母の在宅介護を経験した私がよく考えたこと
在宅介護がつらく、もう限界です。どうすればよいですか?
まず、安全を確保したうえで、一人で抱えず、ケアマネジャーや地域包括支援センターへ現在の状況をそのまま伝えてください。
「夜に眠れていない」「仕事を続けられない」「家族だけでは対応できない」など、具体的に伝えると、サービスや支援体制の見直しにつながりやすくなります。
本人または介護者に差し迫った危険がある場合は、地域の救急・医療機関などへ速やかに連絡してください。
家族だけで在宅介護を続けるのは難しいですか?
本人の状態や家族構成によりますが、介護が長期化したり、夜間対応や医療的ケアが必要だったりする場合は、家族だけで続ける負担が非常に大きくなることがあります。
訪問介護、訪問看護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具などを組み合わせる方法があります。
在宅介護で眠れないときは、誰に相談すればよいですか?
ケアマネジャー、主治医、訪問看護師、地域包括支援センターなどへ相談します。
「夜間の対応が何回あるか」「家族が何時間眠れているか」「誰が担当しているか」を伝えると、現在の負担を共有しやすくなります。
仕事と介護を両立するために使える制度はありますか?
介護休業、介護休暇、短時間勤務等、所定外労働・時間外労働・深夜業の制限などがあります。対象要件や社内手続きは制度ごとに異なるため、勤務先へ早めに確認してください。
祖父母の介護でも介護休業を利用できますか?
祖父母は、育児・介護休業法上の介護休業および介護休暇の対象家族に含まれます。ただし、本人が「2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態」であることや、労働者側の要件などがあります。
在宅介護から施設介護へ変更するのは、家族として無責任ですか?
無責任ではありません。
本人の状態、家族の体力、仕事、住環境などが変われば、無理なく安全に続けられる方法も変わります。
在宅サービスを増やす、短期入所を利用する、施設を検討するなど、その時点に合った選択を話し合うことが大切です。
40歳から64歳でも介護保険サービスを利用できますか?
40歳から64歳までの医療保険加入者は介護保険の第2号被保険者で、加齢との関係が認められる特定疾病が原因で要介護・要支援状態となった場合に介護保険サービスの対象になります。個別の該当可否は市区町村へ確認してください。
介護が終わったあとも後悔が消えません
私自身も、「もっとできたのではないか」という思いが残っています。
介護に完璧な正解はなく、その時点の体力、時間、知識の中で判断するしかないこともあります。
後悔が強く、日常生活に影響している場合は、身近な人だけでなく、医療機関や相談機関へ話すことも選択肢です。
参考資料
- 厚生労働省「介護休業制度特設サイト」
- 厚生労働省「地域包括ケアシステム」
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」
- 厚生労働省「喀痰吸引等制度について」
- 厚生労働省「介護保険制度について(40歳になられた方へ)」
※この記事は、祖母の在宅介護を経験した家族の体験と考えを紹介するものです。医療・介護上の判断や、痰吸引などの手技を説明するものではありません。本人の病状、必要なケア、緊急時の対応、介護サービスの利用については、主治医、訪問看護師、ケアマネジャー、市区町村、地域包括支援センターなどへご相談ください。



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