新NISAを始めようと思ったとき、
「オルカンとS&P500、結局どっちを買えばいいの?」
と迷う方は多いと思います。
私自身も新NISAを始める前、この2つでかなり悩みました。
SNSやYouTubeを見ると、
「初心者ならオルカン」
「S&P500の方がリターンを期待できる」
「両方買えばいい」
など、さまざまな意見があります。
調べれば調べるほど、
「結局、自分はどっちを選べばいいんだろう?」
と分からなくなってしまうこともあります。
私は現在、S&P500を中心に積み立てています。
ただし、この記事でS&P500を一方的におすすめするつもりはありません。
実際に調べていくと、オルカンにもS&P500にも、それぞれ明確なメリットと弱点があります。
この記事では、
- オルカンとS&P500の本当の違い
- 米国比率や組入銘柄
- 過去のリターン
- メリット・デメリット
- 両方買う意味
- 初心者はどちらを選べばいいのか
- 私がS&P500を選んだ理由
まで、2026年時点のデータを使って分かりやすく比較します。
- 結論|迷ったら「どの国が伸びるか予想したいか」で考える
- オルカンとS&P500の違いを比較
- オルカンとは?
- オルカンでも約6割は米国株
- S&P500とは?
- 実はオルカンとS&P500はかなり中身が重複している
- オルカンとS&P500を両方買うのはアリ?
- 過去のリターンはどっちが高かった?
- 手数料はどちらが安い?
- 純資産総額はどちらも十分大きい
- オルカンのメリット
- オルカンのデメリット
- S&P500のメリット
- S&P500のデメリット
- オルカンなら円高の影響を受けにくい?
- 初心者なら結局どっちがおすすめ?
- 私がオルカンではなくS&P500を選んだ理由
- オルカンとS&P500で迷ったときの最終チェック
- よくある質問
- まとめ|「どっちが勝つか」より「どっちなら続けられるか」
- 関連記事
結論|迷ったら「どの国が伸びるか予想したいか」で考える
先に結論です。
私は次のように考えています。
将来どの国が伸びるか分からないので世界全体に任せたい → オルカン
今後も米国企業の成長をより強く取り込みたい → S&P500
この違いが一番大きいです。
オルカンは世界中の企業へ投資します。
一方、S&P500は米国の代表的な大型企業に集中して投資します。
ただし、
「オルカン=米国への投資が少ない」
というわけではありません。
ここは初心者の頃の私も勘違いしていました。
2026年4月末時点のMSCI ACWIでは、米国の比率は**約63.4%**です。つまり、オルカンを1本買うだけでも、資産の6割以上は米国株になります。
そのため、
オルカン=世界分散
S&P500=米国集中
という基本は正しいものの、実際には両方とも米国の影響をかなり受けます。
オルカンとS&P500の違いを比較
まず、違いを一度整理します。
| 比較項目 | オルカン | S&P500 |
|---|---|---|
| 主な投資対象 | 世界の先進国・新興国 | 米国大型株 |
| 米国比率 | 約63% | 100% |
| 銘柄数の目安 | 約2,500銘柄 | 500社 |
| 日本株 | 含む | 含まない |
| 新興国 | 含む | 含まない |
| 分散範囲 | 世界 | 米国 |
| 為替の影響 | 受ける | 受ける |
| 向いている人 | 国を予想したくない人 | 米国を多めに持ちたい人 |
| 新NISAつみたて投資枠 | 対象 | 対象 |
オルカンが連動を目指す「MSCI ACWI」は、2026年4月末時点で2,514銘柄から構成されています。
詳しい構成銘柄や国別比率は、MSCI ACWIの公式データで確認できます。
一方、S&P500は米国を代表する500社で構成され、米国株式市場の時価総額のおよそ80%をカバーする指数です。
指数の構成や最新データについては、S&P Dow Jones IndicesのS&P500公式ページで確認できます。
また、オルカンやS&P500に連動する代表的な投資信託は、新NISAのつみたて投資枠の対象商品です。対象商品は、金融庁「つみたて投資枠対象商品」で確認できます。

オルカンとは?
一般的に「オルカン」と呼ばれているのは、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
です。
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスへの連動を目指し、日本を含む先進国と新興国の株式へまとめて投資します。原則として為替ヘッジは行いません。
最大の特徴は、
自分で将来の勝ち組国家を予想しなくていいこと
だと思います。
現在は米国企業が世界の株式市場で大きな割合を占めています。
しかし、20年後も同じとは限りません。
もし将来、別の国の企業が急成長して世界での時価総額を高めれば、時価総額加重型の全世界株指数では、その国の比率も自然に上がっていきます。
反対に、米国企業の存在感が下がれば、米国比率も下がります。
つまり、
「どこの国が勝つか自分では決めず、世界市場に任せる」
という考え方がオルカンです。
オルカンでも約6割は米国株
「全世界株式」と聞くと、
アメリカ、日本、ヨーロッパ、中国、インドなどへ均等に投資しているイメージを持つかもしれません。
実際には違います。
2026年4月末時点のMSCI ACWIの国別比率は、
米国:約63.4%
日本:約5.0%
英国:約3.3%
カナダ:約3.1%
台湾:約2.9%
その他:約22.3%
となっています。
つまり、
100万円オルカンを持っている場合、現在の構成比なら約63万円分が米国株に相当する
イメージです。

この点は、オルカンとS&P500を比較するときにかなり重要です。
「アメリカに投資したくないからオルカン」
という理由で選ぶと、想像していた中身と違う可能性があります。
S&P500とは?
S&P500は、米国を代表する大型企業500社で構成される株価指数です。
Microsoft、Apple、NVIDIA、Amazon、Alphabet、Metaなど、世界的な企業が多く含まれています。
2026年7月末時点では情報技術セクターだけで**約36.8%**を占めています。
S&P500の特徴は、
米国経済、とくに世界的な米国大企業の成長を強く取り込めること
です。
私がS&P500を選んだ理由の一つもここにあります。
一方で、
米国が不調になった場合、逃げ場となる他国の株式をほとんど持たない
という特徴もあります。
世界分散を重視するオルカンとの最大の違いです。
実はオルカンとS&P500はかなり中身が重複している
ここは、検索している方にぜひ知っておいてほしい部分です。
オルカンとS&P500は、
「世界」と「米国」という全く別の商品
に見えます。
しかし、組入上位企業を見るとかなり重複しています。
オルカンの上位にも、
NVIDIA
Apple
Microsoft
Amazon
Alphabet
Broadcom
Meta
Tesla
などの米国企業が並びます。
2026年4月末のMSCI ACWIでも上位10銘柄の大半は米国企業です。
そのため、
「オルカンとS&P500を両方持てば、単純に分散が2倍になる」
わけではありません。
むしろS&P500を追加することで、
オルカンより米国株の比率を意図的に高める
という意味合いが強くなります。
オルカンとS&P500を両方買うのはアリ?
両方買うこと自体に問題はありません。
ただし、
何のために両方買うのか
は考えておいた方がいいと思います。
2026年4月末時点の米国比率約63.4%を使って単純計算すると、
オルカン50%+S&P500 50%なら、
米国比率は約82%になります。

つまり、
「半分を世界、半分を米国」
にしているように見えても、実際の資産の8割前後が米国になる計算です。
だから私は、
「迷うからとりあえず両方半分ずつ」
より、
「オルカンより米国比率を上げたいからS&P500を追加する」
という考え方の方が分かりやすいと思っています。
両方買う場合については、別の記事で割合や重複について詳しく解説しています。
→【新NISAでオルカンとS&P500を両方買うのはアリ?】
過去のリターンはどっちが高かった?
これは検索する人がかなり気になるところだと思います。
eMAXIS Slimの2商品を同じ期間で比較すると、2026年7月末時点では、
| 期間 | オルカン | S&P500 |
|---|---|---|
| 1年 | +29.48% | +26.99% |
| 3年 | +87.55% | +91.22% |
| 5年 | +142.34% | +161.97% |
となっています。
5年間ではS&P500が上回っています。
しかし、直近1年間だけを見るとオルカンが上回っています。
ここから分かるのは、
「S&P500ならいつでもオルカンより高リターン」ではない
ということです。
期間によって結果は変わります。
そして過去のリターンは、将来のリターンを保証するものではありません。
私はこの数字を見て、
「過去に勝った方を選ぶ」
より、
今後20年間、どちらなら納得して持ち続けられるか
で考える方が重要だと思っています。
手数料はどちらが安い?
eMAXIS Slimシリーズで比較すると、どちらも非常に低コストです。
オルカンの運用管理費用(信託報酬)は、年率0.05775%以内(税込)。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、2026年8月時点で年率0.0814%程度です。
したがって現在はオルカンの方が低コストです。
ただし、両者とも十分低水準なので、
0.02%程度の差だけを理由にオルカンかS&P500かを決める必要はない
と私は考えています。
それよりも、投資対象の違いの方がはるかに大きいです。
純資産総額はどちらも十分大きい
2026年8月21日時点では、
eMAXIS Slim オルカン:約13.6兆円
eMAXIS Slim S&P500:約12.8兆円
まで純資産総額が成長しています。
どちらも非常に大規模な投資信託です。
そのため、
「人気がなくなってすぐ運用が終わるのでは?」
という点を、2商品を比較するときの最重要ポイントにする必要は現状あまりないと思います。
オルカンのメリット
オルカンの最大のメリットは、
世界中へ一本で分散できること
です。
将来、米国以外の国が大きく成長した場合でも、その企業が世界の株式市場で存在感を高めれば自然に比率が高くなります。
自分で、
「次はインドが伸びる」
「中国が戻るかもしれない」
「やっぱり米国だ」
と予想して売買する必要がありません。
特に、
「将来どこの国が勝つか自分には分からない」
と思う人には非常に相性がいいと思います。
オルカンのデメリット
一方で、世界分散だから値下がりしないわけではありません。
オルカンも株式中心の投資信託です。
世界同時株安が起きれば、大きく下落する可能性があります。
また、現在は米国比率が6割以上あるため、米国株が大幅下落した場合の影響もかなり受けます。
つまり、
「オルカン=安全」ではありません。
これは初心者の方に特に知っておいてほしいところです。
S&P500のメリット
S&P500の魅力は、
世界を代表する米国大企業へ集中して投資できること
です。
近年、Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazonなど米国企業は世界経済を強くけん引してきました。
今後も米国企業の競争力が続くと考えるのであれば、その成長をオルカンより強く取り込める可能性があります。
過去5年間のeMAXIS Slim同士の比較でも、S&P500のリターンがオルカンを上回っています。
ただし、これはあくまで過去の結果です。
S&P500のデメリット
最大の弱点は、
米国100%であること
です。
米国企業の成長が長期間鈍化した場合、他国の成長を直接取り込みにくくなります。
また、現在のS&P500は大型テクノロジー企業の影響がかなり大きくなっています。
2026年7月末時点で情報技術セクターは約36.8%です。
「約500社に分散しているから安心」
だけでなく、
国・セクターともにオルカンより集中度が高い
ことは理解しておいた方がいいと思います。
オルカンなら円高の影響を受けにくい?
これもよくある勘違いです。
オルカンにも海外株式が多く含まれ、原則として為替ヘッジを行いません。
S&P500も原則として為替ヘッジを行いません。
そのため、どちらも円高になれば円換算した評価額には下落方向の影響が出る可能性があります。
ただ、S&P500は米ドル資産へ100%投資するのに対し、オルカンは複数通貨・複数国へ分散しています。
為替まで含めて全く同じ動きになるわけではありません。
初心者なら結局どっちがおすすめ?
私なら、次の質問で決めます。
「将来、米国が一番伸びる」と自分で決めたい?
特にそう思わない → オルカン
今後も米国企業を多く持ちたい → S&P500
これだけでもかなり整理できます。
オルカンは、
「世界経済全体に任せたい」
という投資です。
S&P500は、
「世界の中でも米国を多めに持ちたい」
という投資です。
私は、
初心者だから必ずオルカン
とも、
若いから必ずS&P500
とも思っていません。
一番避けたいのは、
SNSでS&P500が人気だから買う。
↓
米国株が下落。
↓
「やっぱりオルカンにしておけばよかった」
と乗り換える。
↓
今度は米国株が上昇。
↓
またS&P500に戻す。
という行動です。
どちらも長期投資向けの商品だからこそ、
下落したときでも自分が持ち続けられる理由がある方
を選ぶことが大切だと思います。

私がオルカンではなくS&P500を選んだ理由
私は現在、S&P500を中心に積み立てています。
一番の理由は、
米国企業が今後も世界経済の中心であり続ける可能性に期待しているから
です。
また、
「米国経済が長期間大きく停滞する状況なら、世界経済全体もかなり大きな影響を受けるのではないか」
と考えています。
ただし、これは私の予想です。
未来がどうなるかは分かりません。
10年後に振り返れば、
「オルカンの方が良かった」
となっている可能性も十分あります。
だから私は、
S&P500の方が絶対に優れている
とは考えていません。
自分で納得して選んだから、相場が下がっても続けやすい。
私にとっては、この部分の方が重要です。
オルカンとS&P500で迷ったときの最終チェック
最後に、迷っている方は次のように考えてみてください。
オルカン向き
世界全体へ投資したい
どの国が伸びるか予想したくない
米国以外の成長も取り込みたい
1本で世界分散を完結させたい
S&P500向き
米国企業の成長をより強く取り込みたい
米国100%でも納得できる
オルカンより集中投資になることを理解している
米国株が長期間不調でも積み立てを続けられる
どちらも当てはまらないなら、
急いで決めなくてもいいと思います。
違いを理解してから選ぶ方が、長く持ち続けやすくなります。
よくある質問
オルカンとS&P500なら初心者はどちらがおすすめ?
「どの国が将来伸びるか分からないので予想したくない」という方には、世界中へ分散できるオルカンが分かりやすい選択肢です。
一方、米国の比率を高めたい理由が自分の中で明確なら、初心者でもS&P500を選ぶこと自体に問題はないと思います。
オルカンとS&P500を半分ずつ買ってもいい?
問題ありません。
ただしオルカンにも米国株が約6割含まれているため、50:50にすると現在の構成比を基にした単純計算では米国比率は約8割になります。
「世界と米国を半分ずつ」というより、世界株をベースに米国を上乗せする投資に近くなります。
オルカンとS&P500はどちらが儲かる?
将来については分かりません。
過去5年間ではS&P500が上回っていますが、2026年7月末までの直近1年間ではオルカンが上回っています。
期間によって結果は変わるため、直近の成績だけで決めない方がいいと思います。
オルカンはS&P500より安全?
一概には言えません。
国の分散範囲はオルカンの方が広いですが、オルカンも株式へ投資する商品なので大きく値下がりする可能性があります。
元本保証ではありません。
新NISAで途中からオルカンとS&P500を変更してもいい?
変更すること自体はできます。
ただし、短期的な値動きを見て何度も乗り換えるより、
「なぜ変更するのか」
を考えてから決めた方がいいと思います。
まとめ|「どっちが勝つか」より「どっちなら続けられるか」
オルカンとS&P500の最大の違いは、
世界全体へ投資するか、米国へ集中するか
です。
オルカンでも現在は米国株が約6割を占めています。
そのため、両者は完全に別物ではなく、上位企業もかなり重複しています。
オルカンは、
将来どの国が成長するか世界市場に任せたい人
に向いています。
S&P500は、
今後も米国企業の成長をより強く取り込みたい人
に向いています。
そして、どちらを選んでも値下がりする可能性はあります。
私自身はS&P500を選びましたが、オルカンを選ぶ考え方も十分理解できます。
私が一番大切だと思っているのは、
「今年どちらが勝つか」ではなく、「10年後、20年後も自分が納得して積み立てを続けられるのはどちらか」
です。
新NISAは短期間で結果を出すための制度ではありません。
だからこそ、人のおすすめだけで選ぶのではなく、自分が納得できる方を選んで長く続けることを大切にしたいと思っています。



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