親の介護と自分の老後が同時に来る…『ダブルケア』に今から備える方法

「親の介護は、まだ先の話」

「自分の老後を考えるのも、もう少し先でいい」

私も以前は、どこかそんな感覚を持っていました。

ですが、実際に祖母の介護を経験して、その考えは大きく変わりました。

介護に関わる前は、私も「介護は大変そう」という漠然としたイメージしかありませんでした。

ところが実際に経験してみると、必要なのは介助だけではありません。

食事や見守り、家族との協力、日々のスケジュール調整。

そして何より、睡眠時間を確保することさえ難しくなることがありました。

介護は本人だけではなく、家族の生活そのものに影響する問題なんだと実感しました。

そして、もう一つ強く感じたことがあります。

お金がすべてではない。でも、お金があることで介護の負担を軽くできる場面はある。

これは祖母の介護を経験した今だからこそ感じていることです。

40代・50代になると、親の介護を考え始める一方、自分自身の老後も少しずつ近づいてきます。

さらに家庭によっては、子どもの教育費や住宅ローンなどが重なることもあります。

この記事では、祖母の介護を経験した私が感じた「お金と介護」の現実と、親の介護と自分の老後に今からどう備えるかを考えていきます。

将来のお金に漠然と不安を感じている方は、こちらの記事も参考になります。

30代・40代が老後に不安を感じる5つの理由と今からできる対策

結論

親の介護と自分の老後が重なる「ダブルケア」は、多くの40代・50代が直面する可能性があります。

介護は愛情だけでは続きません。

時間・体力・そしてお金も必要です。

だからこそ、

今から少しずつ資産形成を始めることが、将来の家族と自分を守ることにつながります。

ダブルケアとは?

「ダブルケア」とは一般的に、子育てと親などの介護を同時に担う状態を指します。

晩婚化・晩産化などによって、子育てが終わる前に親の介護が始まり、二つのケアを同時に担うケースがあります。

一方、今回の記事で考えたいのはそれだけではありません。

40代・50代になると、

子どもの教育費が続いている。

住宅ローンも残っている。

親の介護が始まる。

それなのに、自分の老後資金も準備しなければならない。

そんな複数の負担が重なる可能性があります。

特に親の介護と自分の老後準備は、どちらかだけ考えればいい問題ではありません。

親の介護にお金を使い過ぎて、自分の老後資金が足りなくなる。

これは避けたいところです。

反対に、自分の老後だけを優先して、必要な時に親の介護を支えられない状況もできれば避けたい。

だからこそ40代・50代は、親と自分、両方の将来を考え始める重要な時期だと思っています。

なぜ40代・50代は負担が重なりやすいのか

例えば、自分が45歳で親が75歳だったとします。

現在は元気だったとしても、10年後には自分が55歳、親は85歳です。

親の介護が必要になる可能性が高まる一方で、自分自身も定年や老後を現実的に考え始める年代になります。

しかも、その間に住宅ローンや教育費などが残っている家庭もあります。

つまり、

収入を得ながら自分の老後資金を作りたい時期と、親を支える可能性が高まる時期が重なってしまう

わけです。

介護が始まってから、

「自分の老後資金も準備しないと」

と気付いても、使える時間は少なくなっています。

これが私が今から準備しておきたいと思う大きな理由です。


祖母の介護を経験して初めて分かったこと

私自身、祖母の介護を経験しました。

そして一番強く残っているのは、

介護はお金だけの問題ではない

ということです。

睡眠時間を確保する。

仕事や日常生活と両立する。

家族で協力する。

本人の状態を確認する。

意思疎通が難しい時でも、何を求めているのか考える。

毎日の生活の中に介護が入ってきます。

「今日は疲れたから休もう」

と思っても、介護は待ってくれません。

大切な家族だからこそ、

「自分がやらないと」

「できるだけ自分でしてあげたい」

と思ってしまうこともあります。

私もそうでした。

ただ、それを長期間続ければ、介護する側にも負担が蓄積します。

だから介護は、家族の愛情だけで何とかしようとするのではなく、サービスや制度を使いながら家族自身の生活も守ることが大切なのだと思います。


「お金があれば楽になる」と感じた理由

介護を経験した私が今でも考えるのが、

「もう少し金銭的な余裕があれば、別の選択肢もあったのではないか」

ということです。

もちろん、お金があれば介護そのものがなくなるわけではありません。

でも、お金があれば、

訪問介護などを利用する。

デイサービスを利用する。

必要な介護用品を購入する。

住宅環境を整える。

場合によっては施設を検討する。

こうした選択肢を取りやすくなります。

そしてサービスを使って家族の負担が減れば、その時間を休息に使うこともできます。

本人とゆっくり話す時間にすることもできます。

介護だけに追われるのではなく、家族として一緒に過ごす時間を取り戻せる可能性があるんです。

私にとって、お金を準備する意味はここにあります。


親の介護にはどれくらいお金がかかる?

介護費用は、要介護度や介護期間、在宅か施設か、利用するサービスなどによって大きく変わります。

そのため、

「親の介護には必ず500万円必要」

「1,000万円あれば安心」

と単純には言えません。

介護保険によって負担を抑えられる部分もありますし、本人の年金や資産状況によっても変わります。

一方で、介護が始まると毎月の費用だけではなく、一時的な支出が発生することもあります。

例えば介護用品、住宅改修、通院、交通費などです。

仮に自己負担が毎月3万円だったとしても、

5年間なら180万円。

10年間なら360万円です。

毎月5万円なら、

5年間で300万円。

10年間で600万円になります。

実際には一定額がずっと続くとは限りませんが、小さく見える毎月の負担でも、介護期間が長くなれば大きな金額になることは意識しておきたいところです。

介護費用について詳しく知りたい方は、

親の介護費用はいくら?平均500万円超も|祖母の介護を経験した私の実体験

こちらの記事で詳しくまとめています。


親のお金と自分のお金を最初から分けて考える

介護への備えで重要だと思うのが、

親の介護費用をすべて自分が準備しようとしないことです。

まず確認したいのは、親自身の状況です。

親の年金はいくらあるのか。

預貯金はどれくらいあるのか。

加入している保険はあるのか。

持ち家なのか。

どのような介護を希望しているのか。

こうした話は、親が元気なうちだからこそできます。

「お金の話はしにくい」

という気持ちはあると思います。

ですが、何も分からないまま介護が突然始まれば、家族が一から確認しなければなりません。

まずは親自身の資産・年金・制度を使い、それでも不足する部分を家族でどうするか考える。

その順番が大切だと思います。

自分の老後資金まで無制限に介護へ使ってしまえば、今度は将来、自分の子どもなどに負担をかける可能性もあります。


介護離職はできるだけ避けたい

親の介護が始まると、

通院の付き添い、

ケアマネジャーとの打ち合わせ、

急な体調変化、

日常生活のサポートなど、

仕事との調整が必要になることがあります。

そこで考えてしまうのが、

「仕事を辞めた方がいいのでは?」

という選択です。

もちろん家庭によって事情は違います。

ただ、退職すると給与がなくなるだけではありません。

将来の資産形成に回せるお金も減ります。

さらに介護が終わった後、以前と同じ条件で仕事に戻れるとは限りません。

だからこそ、退職を決める前に、

介護休業など勤務先の制度、

介護保険サービス、

自治体の相談窓口、

家族での役割分担など、

利用できる方法を確認しておきたいところです。

介護を続けるために、自分の人生を全部止める必要があるとは限りません。


500万円、1,000万円という数字より大切なこと

介護について考えると、

「500万円あれば安心?」

「1,000万円必要?」

と具体的な数字が気になります。

私もお金について考える以上、目標金額を持つこと自体は悪くないと思っています。

ただし、

500万円あれば安心、

1,000万円なら絶対大丈夫、

というわけではありません。

重要なのは金額そのものより、

いざという時に使える資産があること

だと思います。

例えば500万円の余裕資金があれば、

急な介護関連費用が発生しても対応できる可能性があります。

一方で資産がほとんどなく、毎月の生活費だけで精いっぱいなら、数万円の支出でも家計への影響は大きくなります。

お金は介護をなくしてくれるものではありません。

でも、

「どうする?」に対して選べる答えを増やしてくれるもの

だと、私は介護を経験して感じました。


だから私は新NISAで資産形成を続けている

祖母の介護を経験したことは、私がお金について真剣に考えるようになった理由の一つです。

将来、親の介護が必要になるかもしれない。

その頃には自分の老後も近づいている。

だったら、

必要になってから準備するのではなく、今から少しずつ準備しておこう。

そう考えるようになりました。

現在は新NISAを利用し、S&P500を中心に積立投資を続けています。

もちろん、

「介護費用は全部NISAで準備すればいい」

という話ではありません。

投資した資産は値下がりする可能性があります。

介護が必要になったタイミングで暴落している可能性もあります。

そのため、すぐ必要になる可能性のあるお金まで投資するのではなく、現金と長期投資を分けて準備することが大切だと思っています。


貯金と投資は役割を分ける

私は、

「将来が不安なら全部投資」

という考え方には賛成できません。

介護はいつ始まるか分からないからです。

例えば、

近いうちに必要になる可能性があるお金 → 預金

10年、20年先に使う可能性が高いお金 → 長期投資

というように役割を分ける方法があります。

預金には、すぐ使えて価格変動がないという強みがあります。

一方、投資には価格変動がありますが、長期間運用することで資産の成長を期待できます。

どちらが優れているというより、

目的によって使い分ける

ことが重要です。

貯金は「円への集中投資」だった?資産形成で知っておきたい真実

こちらの記事でも、貯金と投資の役割について詳しく紹介しています。


月1万円でも長期間続けると大きな差になる

「将来のために資産形成した方がいいのは分かる。でも毎月何万円も投資できない」

という人もいると思います。

私も、無理をして大きな金額を投資する必要はないと考えています。

例えば毎月1万円を20年間、年率5%で運用できたと仮定すると、将来の資産額は約411万円です。

30年間なら約832万円になります。

もちろん年率5%で増え続ける保証はありません。

途中で大きく下落することもあります。

それでも、

毎月1万円なら元本だけでも、

20年間で240万円。

30年間で360万円です。

大切なのは、

今すぐ500万円を作ることではなく、500万円に近づくための行動を今日から始めること

だと思っています。

月1万円が難しければ、5,000円でも構いません。

さらに難しければ、もっと少額から始める方法もあります。

月1万円投資できない人へ|新NISAは100円からでOK!お金がなくても資産形成を始める7つの方法


資産形成の目的は「未来の選択肢を増やすこと」

投資を始めると、

「何%増えた」

「何万円儲かった」

という数字が気になります。

私も評価額は見ます。

でも、私が資産形成を続けている本当の目的は、

資産額を競うことではありません。

親の介護が必要になった時、

「お金がないからこれは無理」

という選択を少しでも減らしたい。

自分が老後を迎えた時、

毎月のお金の心配だけで生活したくない。

家族との時間も大切にしたい。

そのために、今できる範囲で資産を作っています。

だから私にとって資産形成は、

未来の選択肢を買うための準備

に近いです。


親の介護と自分の老後に今からできる5つの備え

では、実際に何から始めればいいのでしょうか。

私なら、まず次の5つを考えます。

① 親の状況を知る

年齢だけではなく、

健康状態、年金、預貯金、保険、住まいなどを少しずつ確認しておきます。

全部一度に聞く必要はありません。

元気なうちに少しずつ話しておくだけでも違います。

② 自分の家計を確認する

毎月いくら使っているのか。

貯金はいくらあるのか。

住宅ローンはいくら残っているのか。

将来いくら積み立てられそうなのか。

まず現在地を知ることが重要です。

③ 生活防衛資金を準備する

投資より先に、

急な出費へ対応できる現金を確保しておきたいところです。

介護だけではなく、病気や失業などにも備えられます。

④ 少額から長期の資産形成を始める

生活防衛資金を確保したうえで余裕があるなら、新NISAなどを利用して長期的な資産形成を検討できます。

重要なのは、最初から大きな金額を投資することではありません。

生活を苦しくしない金額で続けることです。

⑤ 家族だけで抱え込まない

これは祖母の介護を経験したからこそ、特に伝えたいことです。

介護は長期間続く可能性があります。

家族だけですべて背負おうとすると、介護する側の生活まで崩れてしまうことがあります。

制度やサービスを使う。

家族で役割を分ける。

専門家へ相談する。

助けてもらうことも、介護を続けるための方法の一つだと思います。


「ダブルケア予備軍?」を簡単にチェック

例えば次のような状況が重なっているなら、一度将来のお金について考えてみてもいいと思います。

親が70代以上になっている。

自分が40代・50代。

教育費や住宅ローンが残っている。

自分の老後資金をほとんど準備していない。

毎月ほとんど貯金できていない。

親の年金や資産状況を知らない。

一つ当てはまったから危険、三つならダブルケア確定、というものではありません。

不安をあおるためのチェックではなく、家族のお金について考えるきっかけとして使ってください。


まとめ|お金は介護をしないためではなく、家族との時間を守るため

祖母の介護を経験して私が学んだのは、

お金がすべてではない。でも、お金があることで選べることは確実に増える

ということでした。

介護サービスを利用する。

必要な介護用品を買う。

仕事との両立を考える。

家族が休む時間を作る。

そして、

介護だけではなく家族として過ごす時間を残す。

そのための選択肢を、お金が支えてくれることがあります。

そして40代・50代は、親の介護だけを考えればいい年代ではありません。

その先には、自分自身の老後があります。

だから私は、

親の介護が始まってからではなく、今から自分の老後も含めて準備する

ことが大切だと考えています。

私自身もまだ資産形成の途中です。

十分な資産があるわけではありません。

それでも新NISAなどを利用しながら、できる範囲で少しずつ積み立てています。

介護も老後も、将来どうなるかは分かりません。

だからこそ、

将来を完璧に予測するのではなく、

何が起きても選択肢を持てるように準備しておく。

それが、祖母の介護を経験した私が今考えている資産形成の目的です。


よくある質問(FAQ)

ダブルケアとは何ですか?

一般的には、子育てと親などの介護を同時に担う状態を「ダブルケア」と呼びます。

40代・50代では、それに加えて自分自身の老後準備や住宅ローンなど、複数の経済的負担が重なる可能性があります。

親の介護費用は子どもが準備するべきですか?

必ずしも子どもが全額準備する必要はありません。

まず親自身の年金、預貯金、介護保険などを確認し、不足する部分を家族でどうするか話し合うことが大切です。

介護に備えて500万円あれば安心ですか?

介護費用は介護期間や要介護度、在宅・施設などによって大きく変わるため、「500万円あれば安心」とは言い切れません。

特定の金額だけを目標にするより、現金を確保しながら長期的な資産形成を進める方法を考えたいところです。

新NISAは介護費用にも使えますか?

新NISAで保有する商品は売却でき、売却した資金の使い道に「老後専用」「介護専用」といった制限はありません。

ただし投資商品なので、必要な時に値下がりしている可能性があります。

近いうちに必要になる可能性がある介護資金まで投資するのではなく、預金などとの使い分けが重要です。

親の介護に備えて最初に何をすればいい?

まずは親の健康状態や年金・預貯金などを確認し、自分自身の家計も整理することから始めると分かりやすいと思います。

そのうえで生活防衛資金を確保し、余裕資金があれば長期の資産形成を検討します。

介護のために仕事を辞めるべきですか?

家庭の事情によって異なりますが、退職すると現在の収入だけでなく、自分自身の老後資金にも影響します。

決断する前に、勤務先の介護関連制度や介護保険サービス、自治体の相談窓口など、利用できる選択肢を確認しておくことが大切です。

あわせて読みたい関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました